2018年5月11日金曜日

江戸川柳色は匂へ 「か」

  「か」

  かかさま(母様)

 かかさまがしかると娘初手は言ひ

 初めてのナンパの時は、お母さんに叱られるからとういういしくお断りした娘も2度3度といい男から口説かれるとかか様の歯止めもきかなくなる。かか様の目を盗んで積極的にいい男に近づいていこうとする。

 これは娘だけのことではない。

かかさんと言ふ内むす子まだ食える

これがかかさんからお袋と呼ぶようになるともう食えない息子になっている。大人になっていく入り口でこれを通り過ぎて青年になる。
この辺の思いは親も経験してきたのに子どもに対しては厳しい姿勢やとり越し苦労で対応してしまう。それが親心であろう。


  蚊(か

 忍ぶ夜の蚊はたたかれてそっと死に   粋だね。えらい。

 じっとして居なとひたいの蚊を殺し   強くも打たれんしなあ。

 手にとまる蚊を吹きながら御看経    経を唱えながらの殺生ですぞ。

 御看経(おかんき)=禅宗などで、声を出さないで経文を読むこと。声を出して経文を読むことは読経。

 内陣の御神酒にしんと昼間の蚊     神妙にしてやがる。

 内陣=神社の本殿や寺院の本堂で、神体または本尊を安置してある部分。

 質屋では利が喰い家では蚊に喰われ   蚊帳は質草だ。しょうがねえ。




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